Hiro vs. Katsura
「なあ〜。かつら」
「なんだ?」
「烈って“つら”って読むん?」
「一応な」
「俺、ずっと“かつら”って読んでたから気づかなかったけどぉ」
――………――
「けどぉ。が、どうした?」
「火烈って、そのまま読むと、ヒレツだよね」
――………――
「(珍しく満面の笑み)比呂。何がいいたい?」
「(珍しく引きつり笑い)いや。ボクが悪かったです」
「(さらに笑みを深くする)何が悪いと思ってるんだ?」
「………カッちゃん(見えない圧力に半ベソ)」
「今度から俺も“トベヒロ”って呼んでやる(冷たい目)俺が呼べば公認だよな。全校生徒はもちろん。先生も……」
「カッちゃん!かつら!お願い!許してっ(ひっしと抱きつく)」
「(頭を撫でつつ)名前のことで俺に勝てると思うな」
「うんっ。うん!ごめんなさい。アタシが間違ってたワ」
「わかればよろしい」
――………――
「お前らの漫才は夫婦漫才だな」
「へ?どっちがどっち?」
「見りゃわかるだろ」
(友人一同、二人を見る)
「(友人一同)………逆だよな」
「(二人同時)何が?」
Katarina&Martha vs. Snowliru
「ねえ、カタリナ」
「はい」
「ダイアナ様と私。どっちが年上に見える?」
「(ダイアナを思い出しつつ)スノーリル様のほうが年上に見えます」
「やっぱりそうなんだ」
「それが何か?」
「ううん。別になんでもない」
――………――
「もう一ついい?」
「はい」
「トーマスとアドルさんはどっち?」
「(二人を思い浮かべながら)そうですね。トーマスのほうでしょうか」
「そう」
――………――
「それで?」
「?…なに?」
「もう一つあるのでしょう?(にっこり)」
「………怒るでしょう?」
「まさか、スノーリル様に怒るなど(にっこり)」
「それじゃあ、カタリナとマーサはどっちが上?」
「どちらだとお思いですか?(にっこり)」
(マーサも登場)
「どちらだとお思いなのですか?(にっこり)」
「(二人を見比べ)お互いに牽制してるってことは、そうなのね」
(二人顔を見合わせる)
「スノーリル様?それはどっちがどうだと?(真面目)」
「そうです。はっきりして下さい(カタリナの横で真剣)」
――………――
「結局、私以上に二人が気になってるのね(微笑む)」
(視線で語る二人)
「………(しまったわね)」
「………(姫に敵うわけがないですね)」
「どうかした?」
「(二人同時に)いいえ」
Baroque vs. Alicia
「アリシア」
「はい?」
「次の町は大きいのか?」
「いいえ。次はそれほど大きくはないですよ」
「野宿か?」
「泊めてもらえるところがあれば別ですが…」
「(じっとアリシアを見上げる)金がないのか」
「まあ、そんなところですね」
――………――
「(チラリとバロックを見る)野宿は嫌ですか?」
「いいや」
「それにしては、やけに気にしますね」
「………」
「ああ。お腹が減りましたか?」
「………?(足を止めたアリシアを見る)」
「バロック、ちゃんと言わないとわかりません。もしお腹が減っているのなら…」
「違う」
「では、どうしましたか?(心配顔)」
――………――
(だいぶ長い沈黙後)
「………プ」
「ぷ?」
「いや。いい(難しい顔で歩き出す)」
(アリシア、その後を追いながら考え中…)
「あ。もしかして、プリンが食べたいんですか?(驚き&笑顔)」
「………(不貞腐れ気味)」
(追いついて髪を撫でる)
「いいですよ。次の町で食べさせてあげます」
「だが、金が…(少し複雑)」
「バロックならすぐに掴まえられますよ(満面の笑み)」
「?掴まえる?プリンを?」
「大丈夫です(さらに満面の笑み)」
「………アリシア…(嫌な予感が芽生える)」